WARU007

 「電車男」
原作 中野独人(新潮社刊)

演出・音響 高橋直也

 

2006年11月3日(金祝)
①14:00 ②19:00
長岡リリックホール 第1スタジオ
総観客数221名:満員御礼

 

あらすじ
「や、ゃめろょぅ・・・」

ある日、電車内で暴れる中年オヤジから若い女性を救ってしまったヲタク青年22歳。
彼女無し(ワラベサダ)でアニメオタク。。。仕事はシステムエンジニアだが、その風貌は見るからにヲタクそのもの。
電車で助けたその女性から「お礼に」と、高級ブランド「エルメス」のティーカップをもらったが、どうしていいか途方にくれる。彼は毎晩集うオタク達の掲示板「2ちゃんねる」にその想いを相談する。ティーカップのお礼に彼女をデートに誘え!と、モテない男達が知恵を振り絞り彼の手助けをし始める。

「めしどこか たのむ」

必死で助けを求める彼=「電車男」は、オタク達=住人達のできる限りのアドバイスをもらい、励まされ、そして共に落ち込みながらも少しずつ事態は展開してゆく。
住人達の嘆きを見て日々苦笑するウォッチャー、引きこもりの青年、彼氏にふられた看護師、老いたサラリーマン、全く女性に縁の無い青年、それぞれが自分の思いを語り、時には叱咤激励する。
様々なアドバイスを支えに、電車男は高嶺の華「エルメス」に一歩一歩近づいてゆく…。

 

CAST
戦隊ヲタク   佐藤正徒
アイドルヲタク 目黒大樹
戦争ヲタク    yaji(Free)
ガンダムヲタク 山田好宏(ハンニャーズ)
ナレーター   山田亜矢子
アイドルSU: 陶山悠子

 

スタッフ
演  出 高橋直也
舞台監督 中沢大介

(演劇製作集団あんかー・わーくす)
制  作 上杉一隆

(演劇製作集団あんかー・わーくす)
宣伝美術 峰村恵利子
音  響 星野武
照  明 山宮ゆうこ
ムービー 上杉一隆

(演劇製作集団あんかー・わーくす)
映  写 ハカセ
協  力 ジョイントアクションクラブ
      演劇製作集団あんかー・わーくす

 

キャラクタースペック
電車男
22歳彼女無し、服装はA-BOYフルオプション仕様、髪はセミロングしっとり系・・・いかにもモテないヲタク青年。もちろん彼女いない暦=年齢、そして「童ーワラベサダー貞」
ケロロとプリキュア好きなアニメヲタクが、現実の女性に恋をする。
ヲタク度☆☆☆☆
毒男度☆☆☆☆
モテナイ度☆☆☆☆☆

 

毒男1 
かなりマニアックな映画ヲタクなのだが、その映画の登場人物は自分であり、ヒロインは「スーちゃん」こと売出し中ネットアイドル陶山悠子だったりする。
電車男に対し、毒男の中では比較的確かなアドバイスをするが、やはり時折ズレていたりする。
ヲタク度☆☆
毒男度☆
モテナイ度☆☆

 

毒男2 
いい年こいて重度の「戦隊」ヲタク。小さい頃、ピンク役の女の子を好きになり、サンタクロース以上に正義の味方とピンクの存在を信じていた。いや、未だに信じている。
正義は敵の玉には絶対当たらないという理念と、階段の高さ以上のところから下りる時、「とうっ」と言ってしまう病気には今も悩まされている。
ヲタク度☆☆☆
独男度☆☆☆☆
モテナイ度☆

 

毒男3 
ヲタク、というより「オヤジ」である。どんなに素の自分でいようと思っても、女の子と話すときは「敬語」女の子を想像しただけでも「敬語」。むしろ女の子は天使であっても不思議ではないとさえ思っている。
親友は「モデルガン」彼は何を想い、玉を込め、空に向かって銃を撃ち放つのだろうか。
ヲタク度☆☆
毒男度☆☆☆☆☆
モテナイ度☆☆☆☆

 

毒男4 
燃え上がれ~♪とは言わずとも常に燃えあがっているガンダムヲタク。
自分のスタイルはともかく人のスタイルを気にする、ある意味いいやつ。
親に将来自宅をホワイトベースにすると断言している。
ヲタク度☆☆☆☆
毒男度☆☆
モテナイ度☆☆☆

 

進行役 
中堅企業に勤めるそこそこのキャリアウーマン。
だが、その平凡な生活・人生に満足している訳ではない。下には下がいる。そのまたもっと底辺で生きている連中がいる。そんな輩を上空で見下ろし薄笑いを浮かべる。
男兄弟が多いせいか、女の子同士の会話より、野郎と遊んだほうが面白いとさえ思っている。
ヲタク度☆
負け犬度☆☆
モテナイ度☆

 

スーちゃん
日中はアルバイト、夜はHPを作って「ネットアイドル」として撮った写真をCDに焼いて販売し小銭を稼ぐ。
ある日バイト先の女の子が「最近ネットアイドルとしてデビューしちゃった。」と自慢していたのをキッカケに自分の方が売れるはず。と、自分もネットデビュー。ファンを利用しライバルアイドルのHPを荒らし、閉鎖に追い込む腹黒い一面を持つ。将来の夢は速見もこみちと出来ちゃった結婚。
アイドル度☆
ウレテル度☆
毒男熱狂度☆☆☆☆(一部)

 

 

パンフコメント

団長あいさつ

今回は「いまさら」ですが、電車男をやります。
ではなぜ、いまさらやるのか?ネットでもDVDやビデオだって出回り、大反響を呼び、全国的に有名なこの作品を、なぜ今になって。。。
そりゃーマトモにやりませんよ。だって普通の作品は皆さんご覧になっておりますもの。ワルダクミが企んでやる公演です。
はやく役者集めて台詞覚えさせて立ち稽古したくてしょーーがありません。
じゃ、ちょっとだけ言わせてもらうとですね。。。あ、やっぱ言うのやめた。
どうぞ。お楽しみに。。。              

劇団わるだくみ団長 高橋直也

 

当日パンフ記事

『電車男発車いたします』
演出 高橋直也

こんにちは。ライブドア事件以来、すっかり「どこかでみた」と言われ、通り過ぎてから「あっ。宮内被告だ!」と、背中越しに言われ「うっせばかやろ、あいつが俺に似てるんだ」と、意味の無い反抗を背中で語ろうとする高橋です。今回は(も?)演出を担当しております。どーぞよろしく。

えーーっと。今回の「電車男」はですね。ぶっちゃけ種明かしから申しますと、役としての「電車男」は登場しません。ええ。役者が足りなかったからとか、電車男が後半格好良く変われるほどのイイ男が男優陣に居なかったとか、そーゆーんじゃありません。(いやそれもそうだともいえ・・・)

独身のモテナイ男たちが、無い頭とセンスを投入して精一杯のアドバイスをした電車男は、ネット上のやりとりとはいえ、実際に存在する人物として演出しています。
ただ、毒男たちの作り上げたそれぞれの「電車男」たちを通して、皆さんの「電車男」を想像してほしく、あえて「電車男」という役を無くした舞台にしました。
話は変わって、夜のお店で働くホステスさんの写真は、よく手で目の部分を隠して写っています。それでも胸元は開き、短いスカートから伸びる長い足を見るだけで「すっげいい」とか思うものです。男性も女性も、全て見えないからこそ、その人の持つ想像と少ないデータを元に、「人物像」を作り出します。エルメスも然り。声も姿も登場させません。
お客様のあらゆるデータと想像を総動員して、自分の中で「電車男」と「エルメス」を作り出してください。
その2人が素敵に写るか、ただのブ男と負け犬女の出会いに思うか、それは私達の演技にかかっているのですが。。。

フツーにやればいーぢゃん。と、言う方もいるのかも知れませんが、「わるだくみ」のせめてもの「企み」として、こんな時期に「電車男」という言い訳にさせてください。
言い訳以上に面白いものができました。
本日はご来場誠にありがとうございました。
前方確認、よし、後方、よし、電車男、発車オーーーーライッ!!


『高橋直也という男について』

どん(わるだくみ団員)
高橋直也という男は、劉備玄徳と重なると、誰かが言っていました。関羽・張飛、諸葛亮、そして沢山の英雄を纏め上げていた蜀漢の初代皇帝。
今のわるだくみは、官渡の頃でしょうか?関羽は山古志に行ってますし(←奮闘記は副団長のWEB日記をご覧下さい)。芝居を、広く 長岡市民に受け容れて貰いたい、随分前にそう言っていました。…なかなか難しいものですね。こういったイベントに、興味の無い市民の目を向けさせる、その為に何をするのか。何が出来るのか。芝居のクオリティを上げるだけじゃなく。私は(身内が言うのも何ですが)わるだくみの芝居、好きです。だからこそ、もっと広まって欲しいと思います。

長期の運営は様々な理由で団体を硬直させていきますが、それでも、無茶のできるわるだくみでいて欲しいと願います。
これを御覧の御客様、アンケートの裏にでも、何か良い案がありましたら御記入下さい。とか、勝手に書いたら怒られるかな?(^^;)


役者コメント(お題「オタクについて」)
「オタクについて」山田亜矢子

オタク。人の心をざわつかせる奇妙な響き。
私はオタク的気質の人間です。執着心が強くて妄想好きで頑固。映画でも漫画でも音楽でも、自分が好きな作品には感情移入が激しいです。「この作品を汚す輩は片っ端からコロス!」と常日頃思っていたりします。
が、自信を持って「私は○×オタク」と言えるジャンルは無く、どれも知識は中途半端。入れ込む気合いだけオタクの軟派野郎です。
本来、オタクとは硬派なものです。細かな知識・譲れぬこだわり・猛烈な愛情。それらを特定のジャンルに抱く事が出来て、「マニア」よりも更にディープな世界に笑顔で潜れる人間こそ「オタク」の称号に相応しいと言えるでしょう。
オタクは自分の聖域を持っています。聖域が失われない限り、怖いモノなど無いのです。
その意味では、オタクとヤンキーはどこか共通点があるような気がします。オタクとヤンキー。彼らを生み出した日本は面白い国なのかもしれないと思う今日この頃です。


「オタクについて」佐藤正徒

ゲゲゲの鬼太郎の水木しげる先生は、好きで収集し始めたモノは世間の流行り廃りに関係なく、ずっと収集し続けるという。
好きになったモノ~それが例えアニメのフィギュアでも、アイドル関連グッズでも、ゲームのキャラモノでも~とにかく世で認められていようがいまいが、好きでい続ける事は、実は素晴らしい事なのではなかろうか。

その道が、多くのヒトが認めているモノであれば賞賛・尊敬され、認められていないモノであれば奇異の目で見られ疎んじられる。そんな違いでしかない。
 好きで詳しい物事に精通しているヒトを、プロと見るかオタクと見るかは自分が決める事ではないと思うのだ。どう見られるかも気にする必要がないはずだし。
 特に何かに固執して好きでいるモノや収集しているモノが自分にはないと思えるだけに、オタク(プロでもいいけど)ってスゲーと思うのです。


「オタクについて」目黒大樹

「オタク」と一口に言っても色々な人がいます。
「漫画やアニメなんてまったく興味がない」「秋葉原なんて足を踏み入れたこともない」そんなオタクも大勢います。
私自身、家には漫画本が山のようにあって本棚から溢れ出していますが、アニメの知識はからっきしです。しかし、オタクはオタクですし、かつ真性(この場合年齢=彼女いない暦で童t)ではないにしても毒男ですから、今回の役はかなり自分に近いところで演じることができました。まるで自分がそのまま舞台に立っているようなものです。
が、肝心のオタク趣味がまるっきり別物と言うか別次元。私のオタクとしての興味の対象は二次元に限られているので、異なる趣味のオタクは異端と言うか別種と言うか異次元生物みたいな理解しがたいものでした。
その深い溝を乗り越えることができたのか。ぜひ皆さんの目で確かめていただきたいと思います。でもやっぱりキャラと偶像と実際の女性は完全に別次元……。

 

コラム

[危険と困難はいかがっすか?]
hakase(わるだくみ団員)

『 長い人生、「ヤバイ!死ぬッ!」と思えるほどの体験を、誰でも一度くらいはしたことがあると思います。かといって、そう頻繁にあるわけでもありません。
そういった危険なシーンに出くわすのは大変に稀なことです。
我々人間はそういった危険な物事からは自然と避けるように出来ていますからね。
崖から落ちそうになるくらいなら、最初から崖には近づかない。君子危うきに近寄らず、とはよく言ったものです。
危ないものには決して触れない近よらない。しかし、そうしているからこそ、我々はいつまでたっても危険に対しての耐性を身につけることが出来ないのではないで しょうか?突然不慣れな状況下に置かれて困惑してしまうのと同様に、いざ危ないと いう時に多くの人間が冷静さを失ってパニックに陥ってしまうのもそのためだと思います。
そう考えれば、例え命に関わるほどの危険な出来事でも、中々に貴重な経験だったと思えるようになりますよ。

だからといって、常日頃から危険に囲まれた生活を送りたいとは、思いませんけどね。

舞台写真

当日配布パンフレット